運転手「これから通るのは『マフィアの住処』だ」
ま、マフィアって…あの、銃バンバン撃ち合って人を殺めて、危ない薬とか密売してる...あの!?(勝手なイメージ)
運転手「マフィアの住処は、文字通りマフィアがわんさかいる抗争の多いエリアだ。今日はでかい縄張り争いがあんだ。」
運転手「俺が案内するから大丈夫だ。 多分」
運転手「それができるならとっくにしてるさ。これを見な。」
運転手から手渡されたのは、くしゃくしゃになった紙切れだった。
運転手「ここ周辺の地図だ。左下が今出てきた空港。赤くバツ印がついてるのがこれから向かうカフェだ。」
この汚...ちょ、ちょっと雑な地図は....
運転手「マフィアの住処だ」
運転手「あぁ、そうだ。どちらにせよ、マフィアの住処を通らねぇとカフェには行けねぇ。皆まで言わせんな。」
運転手「嘘じゃねぇ。ほら降りるぞ。」
運転手はそう言いタクシーを路肩に停めた。
運転手「ここからは歩きだ。」
運転手「大丈夫だ。俺についてこいっ」
───バンッ バンッバンッ
運転手さんによると、今マフィアエリアのど真ん中、一番抗争の激しい場所にいるらしい。
激しい発砲音で大声を出さないと会話ができない状態だ。
運転手「だーからさっきも言っただろー!?ここしかないんだよー!!」
さっき見た地図を頭の中で思い出す。
確かあの地図だと、ここを右に曲がって....
───ドォンッ!!
鈍い痛みで目を開けると、目の前には瓦礫の山ができていた。
確かさっきここに2人が...
瓦礫に向かって2人を呼ぶ。
運転手「行け!」
運転手「俺達もあとから追いかける!早く行くんだ!」
私は瓦礫の山に背を向け、カフェへと走り出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。