第4話

三輪目
40
2017/12/25 11:52
「切⋯断家?」

「うん、君の眼はちょっと特殊なんだ」

「普通の人は専用のゴーグル、メガネをつけないと見えないんだけど、切断家はそれがいらない」

彼は一呼吸置いて

「そして、普通なら取れないサクラを素手で"むしり取る"ことが出来る」

要は⋯
「簡単に才能を奪える⋯?」

「ピンポーン♪だいせーかい」

「でも、その奪ったサクラは自分自身に取り入れることは出来ない」

「え?意味無くね?」

「いやいやー!このあとが大事」

「枯れたサクラを実にしてはいけないんだ」

先程言っていた、さくらんぼというものか?

「さくらんぼ、通称"暁"」

「暁?」

「暁は恐ろしいんだよ。」

彼は表情を曇らせ声をひそめて

「脳が侵食されて、心臓を蝕み、そして接吻した相手の脳に強制的にさくらんぼを植え付けるんだ」

ウイルス的なものか?

「暁になったら、どうなっちゃうの?」

「思考が鈍り、さくらんぼに乗っ取られていくんだ」

考えるだけでもゾッとした。
「さくらんぼに感染した人が、正常な判断が出来なくなり殺人を犯す」

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