そして次の日。
チャイムが鳴ると同時に部活に行ったり、家へ帰ったりと、教室の中なのに混雑している。でもあたしは、ただ一人を見ていた。やっぱり、バッグを持って人混みに紛れて帰ろうとしていた。とっさに声をかける。
響くんが振り返る。
眉間にしわを寄せて、そう呟いた。そしてまたくるりと背を向けられる。
3メートル、5メートル…どんどん響くんが遠ざかっていく。
あたしは思わず響くんに抱きついた。だって、こうでもしないと響くん、行っちゃうんだもん。
でも…みんな見てるし、は、恥ずかしいっっ///
さすがに響くんも足を止める。
あたしは響くんに抱きついたままだってことを思い出して、一瞬力を緩める。
だけど、すぐ首を横にふる。
そしてまたしっかり抱きつく。
全国目指してがんばろうって約束した大事なチームメイトなんだもん!
響の頬は、赤く染まっていた。
それを知らずに彩晴が上目遣いで尋ねる。
こうして部活に復活した響くんでした(・∀・)
なお、響くんは、そのあと吉野先輩に、たっぷりとシめられました (^_^ ; )
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。