第7話

帰り道
1,550
2017/12/28 06:50
跡部景吾
集合!
テニス部員
はい!
部活が終わって最後の先生のお話
と言っても榊先生からではなく跡部部長からのお話
ほんとすごいなこの人
跡部景吾
明後日の土曜日に立海大と練習試合をすることになった
オーダーは明日発表する
立海大...聞いたことないな
でも皆ざわついてるし...何となく強そう
跡部景吾
解散
テニス部員
はい!
その後、片付けやら鍵締めやらで遅くなった跡部部長を私はなぜか待っていた
だって待っててって言われたし?
無視して帰るのもどーかと思うし?
うじうじと心の中で言い訳をしていると、
跡部景吾
待たせたな
と、跡部部長が歩いてきた
あなた

いえ、お疲れ様です

そう言って私達は駅の方へ歩き始めた
跡部景吾
あなたは家どっちなんだ?
電車を待っているときに跡部部長に聞かれた
正直詳しいことはあまり言いたくないから
あなた

これ乗って三つ目の駅のすぐ近くです

と誤魔化しておいた
跡部景吾
そうか...
その後は兄弟はいるのか、誕生日はいつだ、血液型は?と、質問攻めにあった
跡部部長は聞いてもいないのに自分から話しだした
そんな話をしていると電車が来た
プシュー、とドアがあくと熱気と寿司詰めになった人が数人出てきた
あなた

これに...乗るんですか?

何しろどう考えても私達二人が乗るスペースがない
流石にこれに乗るのはちょっと...
跡部景吾
どうせ次のも満員だろ
乗るぞ
あなた

はい...

え、これ乗るの?乗れるの??
跡部部長が先に乗り、私の入るスペースを作ってくれた
ドアが閉まり電車が動き出すと揺れて余計にキツくなった
跡部景吾
大丈夫か?
そう言いながら跡部部長は私をかばってくれた
なんかこれ漫画で見たことある...
ドアと跡部部長に挟まれて...つまり壁ドン?
一つ目の駅について人が乗ってくると、更にキツくなった
うわ、やばいって//めっちゃ近いよ//
私と跡部部長はその距離わずか3センチほど...
息がかかるほどの距離...近ぇ!//
跡部景吾
あなた、大丈夫か?
あなた

大丈夫です//
跡部部長こそ大丈夫ですか?//

跡部景吾
あぁ
少し顔をあげてみると、跡部部長の顔がすぐ近くにあった
それと同時に跡部部長の顔が赤くなっているのにも気付いた
こんな赤くなってるのに声だけは平然に保つとかw
跡部部長の心情を考えると、自然と笑みがこぼれた
跡部景吾
なにニヤニヤしてるんだよ//
あなた

いや、ありがとうございます(ニコ)

そうすると跡部部長の顔がいっそう赤くなった
なんか少しかわいいな
絶対口には出さないけど...//
そうして二つ目の駅を過ぎ、三つ目の駅で降りた
あなた

家、こっちなんですか?

跡部景吾
ああ
あなた

私こっちなんですけど、部長は...?

跡部景吾
俺もこっちだ
これ嘘だw
え、部長分かりやすっ!w
送ってくれたんだな...
ここは甘えとこう...
跡部景吾
そう言えば、あなた携帯あるか?
あなた

ありますけど...

跡部景吾
連絡先交換するぞ
また決定事項...
私に拒否権はないのか...
あなた

いいですよ
LINEでいいですか?

跡部景吾
ああ
ふるふるでLINE交換
跡部部長がスマホ振ってるのはかわいかったw
そんなこんなで家に到着
あなた

送ってくれてありがとうございました

跡部景吾
いや、家に帰るついでだったから
あなた

ほんとは家こっちじゃないですよね

跡部景吾
えっ...
声裏返ってるしw
あなた

跡部部長ほどのお坊っちゃまが電車に乗るのがまずおかしいし、家どっちですか?って聞いたとき目が泳いでましたよ

跡部景吾
//////////
あなた

それも含めてありがとうございました
跡部部長との話、楽しかったです
おやすみなさい

暗くてよく見えなかったけどきっと跡部部長の顔は赤い
でもそれと同じくらい私の顔も赤いと思う
いつもはこんなこと絶対に言わないのに言ってしまった
跡部部長だから?
すると腕を引っ張られ、何かに包まれた
一瞬わけが分からず混乱して、この状況を理解できたのが十秒後
私は跡部部長に抱き締められている
んん!?
あなた

あの...//

ふぅ、と息をついてから跡部部長は離れた
跡部景吾
おやすみ//
そう言うと逃げるように帰っていった

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