部活が終わって最後の先生のお話
と言っても榊先生からではなく跡部部長からのお話
ほんとすごいなこの人
立海大...聞いたことないな
でも皆ざわついてるし...何となく強そう
その後、片付けやら鍵締めやらで遅くなった跡部部長を私はなぜか待っていた
だって待っててって言われたし?
無視して帰るのもどーかと思うし?
うじうじと心の中で言い訳をしていると、
と、跡部部長が歩いてきた
そう言って私達は駅の方へ歩き始めた
電車を待っているときに跡部部長に聞かれた
正直詳しいことはあまり言いたくないから
と誤魔化しておいた
その後は兄弟はいるのか、誕生日はいつだ、血液型は?と、質問攻めにあった
跡部部長は聞いてもいないのに自分から話しだした
そんな話をしていると電車が来た
プシュー、とドアがあくと熱気と寿司詰めになった人が数人出てきた
何しろどう考えても私達二人が乗るスペースがない
流石にこれに乗るのはちょっと...
え、これ乗るの?乗れるの??
跡部部長が先に乗り、私の入るスペースを作ってくれた
ドアが閉まり電車が動き出すと揺れて余計にキツくなった
そう言いながら跡部部長は私をかばってくれた
なんかこれ漫画で見たことある...
ドアと跡部部長に挟まれて...つまり壁ドン?
一つ目の駅について人が乗ってくると、更にキツくなった
うわ、やばいって//めっちゃ近いよ//
私と跡部部長はその距離わずか3センチほど...
息がかかるほどの距離...近ぇ!//
少し顔をあげてみると、跡部部長の顔がすぐ近くにあった
それと同時に跡部部長の顔が赤くなっているのにも気付いた
こんな赤くなってるのに声だけは平然に保つとかw
跡部部長の心情を考えると、自然と笑みがこぼれた
そうすると跡部部長の顔がいっそう赤くなった
なんか少しかわいいな
絶対口には出さないけど...//
そうして二つ目の駅を過ぎ、三つ目の駅で降りた
これ嘘だw
え、部長分かりやすっ!w
送ってくれたんだな...
ここは甘えとこう...
また決定事項...
私に拒否権はないのか...
ふるふるでLINE交換
跡部部長がスマホ振ってるのはかわいかったw
そんなこんなで家に到着
声裏返ってるしw
暗くてよく見えなかったけどきっと跡部部長の顔は赤い
でもそれと同じくらい私の顔も赤いと思う
いつもはこんなこと絶対に言わないのに言ってしまった
跡部部長だから?
すると腕を引っ張られ、何かに包まれた
一瞬わけが分からず混乱して、この状況を理解できたのが十秒後
私は跡部部長に抱き締められている
んん!?
ふぅ、と息をついてから跡部部長は離れた
そう言うと逃げるように帰っていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!