本を探してしばらくたった。
どこを探しても何処にもない。あと、残ってる部屋は……母親と父親の部屋と、俺の部屋、それと、優也の部屋。
行くか。
まずは、母親と父親の部屋に向かう。
ついた。
そっと戸を開ける。中には誰もいなかった。さっそく、中に入って探すことにした。
辺りを見渡してみると…机の上に……
__本があった。__
まさか…
近づいてみるとやっぱり、あの本だった。
ん…?付箋がついてる。
『終了』と書いてある。そのページを開いてみると……。あの、首吊りのページだ。
まさかね……。
父さんと母さんがやるはず…。
な…い……のかな……。
そのとき、後ろに…影が……えっ?
振り返った瞬間誰かに鉄の棒で殴られたらしく……そのまま気を失ってしまった。
気づかれたのかな……。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!