拝啓、兄さん。
僕は、兄さんが唯一の光だった。それを消すものがいた。元親だ。もう、その大人は僕の親じゃない。
何かに例えると、きっと子供の部屋はずっと暗かった。それを兄が小さな小さな光おもちゃをあげた。だが、親はそんなものいらない。そう言われて取り上げられる。そんな感じだろう。
兄さん。最後に会いたかった。
最後に会って、いっぱい遊んで、笑って、たまには、喧嘩をしたり、泣いたりそんな感じに色んなことをして見たかった。
__今の僕は汚れすぎた。__
元の僕は、臆病で兄さんが大好きでずっと一緒に遊んでいたかった。
今の僕は、もう、表情が顔にでなくなった。ただの人形のように。もう、人間と会うことがいやだ。
いつからこんな感じになったんたろ……。
最後に言わせてください。
兄さん。__大好き“だった”。__
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。