第3話

うっかと悠真
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2017/12/27 02:15
「唄おはよ~」

「おはよううっか」


昇降口で上履きに履き替えていると
越野優香(コシノ ユウカ)、通称うっかが話しかけてきた
うっかとは同じクラス


「宿題できた?」

「なんとか。うっかは?」

「読書感想文がまだ…」

「あれは手強いよね」


夏休みは何してた?とか
夏休みはどこに行った?とか
海行った?とか
夏休みの出来事を話した

そうだ、うっかにもお土産渡さないと


「あのねうっか」

「ん?」


ゴソゴソと手探りでカバンの中からお土産を探す


「夏休み旅行行っててさ、そのお土産なんだけど」


指にあたったかたいもの
これがうっかに買ってきたお土産、キーホルダー
キーホルダーなんて子どもっぽいかな


「はいこれ」


うっかにお土産を渡した
大人っぽいうっかには似合わないかもしれない
やっぱりお菓子とかにすればよかった、とここに来て後悔


「わーかわいい!」


でも思っていたのとは違う反応で
うっかはとても喜んでいた


「いいの?こんなにかわいいやつ」

「うん、ちょっと子どもっぽいかなって心配だったんだけど…」

「全然!すごいかわいいよ!ありがとう唄!」


ぎゅーっとうっかに抱きつかれた


「うーわ、またやってんのかよ」


と、そこでやって来たのはうっかの幼なじみの
今野悠真(コンノ ユウマ)
悠真も同じクラス



「なに悠真、妬いてんのー?」

「はぁ?ちげーよ」

「そんなムキにならない。唄とラブラブでごめんねー?」



ニヤニヤと悠真を挑発するうっか
そんな光景にクスクスと笑ってしまう
ふたりとも仲良しだなぁ



「何笑ってんだよ」


パチンッ


「いたっ!」





悠真からのデコピン
悠真のデコピン痛いんだよぉ…





「悠真私の唄になんてことすんのよ!」

「笑ってんのが悪い」

「アンタねー!」

「まぁまぁまぁ!」




このまま喧嘩になると他の人にも迷惑だ
私はふたりを落ち着かせた




「早く教室行こ」













──── 君と出会うまであと少し

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