第4話

君の隣で
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2017/12/28 03:24
私達がいる遊園地の観覧車は

1周するのに10分と長く

カップルで乗ると

永遠に結ばれるという噂がある。

そんなことを思い出し私がニヤけていると

龍君は涙を落としていた。
茅田 龍
まだ…死にたくねぇなー…。
あなた

龍君…。

(笑ってたけど本当は辛かったんだ…。)
あなた

あと…何時間?

茅田 龍
2時間とちょっと。
でも俺最後にあなたといれて楽しかった。
これで思いのこす…
あなた

強がんなくていいんだよ?

そう言って私は龍君の手を握り

涙が出そうなのを必死にこらえた。

そして龍君は

無理して笑っていた顔を緩め

涙を流した。
茅田 龍
ありがと…ほら…降りるぞ。
あなた

う、うん。

行きのバスとか空気の重さが全く違くて

龍君の右腕にある時間が

カチッと音をしたのを聞いた。
(残り…1時間…。)
茅田 龍
最後は笑っていてくれよな?
それに…言いたい事あるからこのあと桜が綺麗な公園に行くぞ。
あなた

うん…。
それよりこのアプリやろうよ!

私はこの重い雰囲気を変えて

龍君を笑わせようとして

龍君はそれに気がついたみたいで

悲しいように笑った。

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