『人の心変わりは一瞬ですよね』
彼女は疲れていて目を瞑っておりしばらくの時間が
経って彼女がいきなり口を開いた。
「そうですね。思いが届くまでたくさんの時間をか
けてやっとの思いで届いた気持ちが形になるとすぐ
に満たされて今度は別のモノに目が行くようになる。
だから私は人間が嫌いです。」
『じゃあどうして心の傷を癒すための案内をしてい
るんですか?』
「愚問ですね。仕事だからです。」
『でも…』
「別に仕事なので好き嫌い言ってる場合じゃないん
ですよ、さぁまだ時間はあるので寝てください。」
これ以上聞かれるのも面倒くさい。
私は前の座席の後ろのポケットに入ってる真っ赤な
ブランケットを取出し、広げて彼女の膝の上にかけ
ると彼女は目を瞑り眠りについた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。