第7話

#7
13
2017/12/27 15:59





「起きてください、着きましたよ」


『ん、どこですか…』


「おそらく貴方の記憶の中の一番幸せだった時間が

存在する場所です」


『もう過去に来たんですか?』


「いえ、それは今からですよ」


ずいぶんと慣れたように会話をしながら座席を立ち

開いたドアから誰もいない建物の屋上へ降りる。


「ここは学校ですか」


『そうみたいですね…』


「ここが貴方の戻る時間の場所です、では過去に行

きましょう」



左腕にしている黒色の時計の針を左方向に一周

回してセットした。



「よろしいですか、では横にある真ん中のダイ

アルを押す準備をしてください。」



そういうと私の指の上から彼女はダイアルに指

をかざした。



「待ってください、私の指が…」





―――カチッ。








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