胸が苦しい 。
心拍数も上がってきている 。
呼吸が難しい 。
寒い 。 怖い 。
咲斗の声がした 。
恐る恐る顔を上げた 。
そこには, ニタァと笑った咲斗の姿があった 。
やっぱり, 見間違いじゃなかった 。
そう思ったのが, 僕の意識では最後だった 。
そして, 次に目が覚めたのは真っ暗の世界 。
目の前には制服姿の少女がいた 。
初対面……??
初対面……なのか??
僕の脳裏ではその言葉が過ぎっていた 。
どこかで会った気がする…
学校か…?? 駅か…??
いや……病院か…??
僕は記憶の隅々を探した 。
けれど, 少女の記憶は見つからなかった 。
そういうと少女はニタァと笑う 。
やっと思い出した 。
こいつは……神の中でも最強な神 。
そして, 世界の中心となっている者 。
クレイは変なことを聞いてきた 。
悔しくは……ないのか??
言葉が理解できなかった 。
クレイは, ため息をつく 。
レイ……に??
嘘だ……嘘だ!!
クレイは頷く 。
僕は本当のことを聞いた 。
レイは人間が大嫌いなこと 。
初めて会うのは偶然じゃないこと。
無名の神と名乗ったのは, 本当は神ではないこと 。
この夢の世界からの脱出の仕方は無理やりに過ぎないこと 。
今までのやりとりは全て演技だということ 。
そして, 咲斗の意識を操りこの世界に連れてきたこと 。
クレイは, 指を鳴らした 。
そしたら目の前に, モニターが現れた 。
そこのモニターに映っていたのは,
魔王のボロボロの姿だった 。
頭から血は流れ, 鎖に繋がれた姿だった 。
クレイは, 頷く。
そして, 手を出した 。
クレイは, 頷き 手を握った 。
すると, あたりは眩しくなった 。その瞬間, 力がみなぎるようなきがした 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。