女の人の顔が、最後の仕掛けだったらしく、3歩歩けば出口に着く。
……どうして、あたしキスされたの?
抱きついちゃったから?
雰囲気で?
ノリで?
もう分かんないよっ...
キーンコーンカーンコーン
「これで、第49回 文化祭を終わります。
後夜祭は生徒だけでの参加となります...また……」
最初も最後もタイミング悪すぎだよ。
仕組んでますかってくらい会話を切ってくるよね。
...なに、それ。
それは...今日のことについてだよね?
いつもお前なのに...なんで楓?
本当にありがとうってどうして?
ここにいれてよかったって今日の事だよね?
走ってどこか遠くへ行ってしまった。
あの公園...思い当たる所が1つだけある。
あたし達が喧嘩した時は、いつもその公園で仲直りしてた。
あたしが落ち込んで、ベンチに座っていると...悪かった、そう言って隣に座ってきた。
それから、あの公園は...あたし達の、仲直りし合う場所になったんだ。
喧嘩した日には...かならず、あそこにいる。
実は、小さい頃に秘密基地も作ってて、誰にもバレない場所に小さなテーブルと椅子があるくらいだけどね。
あとは、ポスト。
手紙を入れて郵便屋さんごっこしてたね……
行かなきゃ。
...大輝は、あたしに何か言いたいんだと思う。
あの公園を指定するくらいだからね。
怖いけど、聞こう。
...まだ、これは幼馴染の勘だけどね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。