ミクの言葉に驚きが隠せない。
まだまだダメなところだらけのあたしなんかを貰ってくれる人がこの世の中にいるのだろうか……一生独身で終わるかと思ってた……
23歳……七年後の未来である。
7年後の未来……もう出会ってる人??それともこれから出会う人?
とにかくどんな人なのか気になって仕方が無い。
イタズラな笑みを浮かべぱちんと指を鳴らす。
ついた先は、海の見える教会だった。
季節は夏。ギラギラと日差しが照りつける。
真っ白な教会のレッドカーペットの敷かれた階段を一段一段のぼる。
教会を見て、自分らしいなと思う。
小さい頃から、結婚式は海の見える教会で夏の快晴の日にすると絶対に決めていた。
やっぱり、そういう頑固な部分は大人になっても残ってるのかな……なんだか、少し嬉しく感じる。
ドアの前に立つと、一枚の小さな黒板が置いてあり筆記体のローマ字で文字が書いてある。
Hasuneという名前が大好きな人と重なりまさかという感情が湧き腰が抜けそうになる。
満面の笑みを浮かべているミクに声をかけ走り出す。
とにかく早く顔が見たかった。
自分のクエッションの答えが欲しかった。
全速力で走り協会の中に飛び込む。
するとそこには、真っ白の純白のウエディングドレスをきた女性と同じく白のタキシードを着た男性の後ろ姿があった。男性の方は後ろ姿でもすぐにわかった。大好きな人の背中だった。喜びが沸き上がり泣きそうになる中一つ不思議なことを感じた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!