第11話

戦士の休息、少しの恋心。
180
2017/12/28 12:35
ご飯はいつも、みんなで食べる。
ここの掟らしい。誰が作ったか知らないけど。
でも、誰が作ったかは大体想像できる。
そして、大体の人は、自分の恋人と食事を共にするのだ。
恋愛要素がバトル要素と同じくらい大好きだったカナデには、至福の時間だった。
「顔がニヤついてるぞ。いつも通りだが。」
そう言って刹那とマリナが隣に座ってきた。
「えへへ…皆さんを見てると、こっちまで幸せになれるというか….少女漫画を見てる気分?なーんて…」
すると、刹那が鋭い質問をしてきた。
「お前は、そう言う経験ないのか?」
思いっきりいろんな場所を銃で撃たれた気がした。
「いっ….いや…..私は…記憶無いですし…そもそもそんな色恋あったらその人も一緒にこの世界に来てるかもしれないですし…」
「そうか….だが、ここには恋人同士が必ずしも来る、と言うものは無いぞ?」
刹那が言った瞬間、私の脳裏に、質問というか、驚きが浮かんだ。
「えっ?…だって刹那さんとマリナさんって、恋人じゃないんですか?私てっきりこの世界に来てから恋人になったのかと…」
…私の質問も地雷だったらしい。まぁ、地雷返し成功。と言うか。
「私達はほら、年齢差激しいじゃない?だから…ほら、刹那だって、満更でもないでしょ?ね?」
慌ててマリナが答えた。
その答えは….以外なもの、いや、私の期待道りだった。
「別に、満更でもない訳でもないし、年齢差は関係ないと思う。」
思わずキタコレ!!と叫びそうになった。
「ただし、『好き』と言う感情は一切ない。」
バッサリ切られた。まぁですよねぇーって感じだった。ただ、希望を捨て切ることは、カナデには絶対に無理なことだった。

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