第25話

黒幕
118
2018/01/31 14:37
戦闘2回目。
出撃シークエンスにも慣れないといけないと思いながらの出撃。
今回も、何も起きなければいいのだけど…
そう考えていた時期が、カナデにもあったのだった。
前回の戦法はあまり使わないけど、敵をまとめて倒すことがカナデにとっての一番戦法だった。だから、小爆弾はいい武器だった。
大体撃墜し終わって、帰還しようとした時、
レーダーの反応のすぐあと、背中から攻撃されたような気がした。そしてその後、聞き覚えのある声が聞こえた。
『やぁ、なかなかやるようになったじゃないか。ボクはびっくりしたよ…カナデ。』
通信から声が聞こえてくる。
「!?…この声…そしてなんでアタシの名前を知って…まさか!?」
『そう…そのまさか。ボクが今回の黒幕…というところかな。』
緊張した空気が流れる中、銃を放とうとしたその時、
『おっと、撃つのはまだやめておいてくれ…ボクのことを君も知りたいだろうし…面白くないだろう?』
確かに面白くないと思い、銃を下ろした。
「あなたは誰?何物?この世界は何?」
『それをこれから話すんだろう?せっかちだね、君は…まぁいいか、ボクの名前はハイド。君や他の人物をこの世界へ導いたのも、無人兵器を出撃させていたのも、ボクがやったことだよ…』
いきなりの話に困惑した。自分のことを知っているのも疑問だった。
『おっと…今回話せるのはこのぐらいかな。他に自分のことを知りたいのなら…満月の夜、月を見上げてごらん?きっと何か思い出すはずだよ…』
そう言って、ここを過ぎ去って行った。
ハイドとは、何だったのかより、最後に残した満月の夜のことが、カナデは気になって仕方がなかった。

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