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第5話

交換
「こちらこそ!

ってか、何それ?」


「え?」


優馬くんが指さしたのは私のスマホ。


何それ、って…。


「スマホだけど…?」


「…ふーん。」


声は興味なさげだけど、優馬くんはまじまじと私のスマホを見る。


…そんなに珍しいものじゃないんだけど…。


あ、もしかして、ケースかな?


私のスマホケースは私の手作り。


手芸が好きな私が、ラメグリッターとかリキッドを入れて作った傑作!


揺れるラメが可愛い。


「あ、雨、止んできたな。」


優馬くんがそう言いながら空を見上げる。


「ほんとだ…。」


じゃぁ、帰ろうかな。


でも、まだ話していたい。


そんな気分だった。


「…オレ、もう帰んなきゃ。」


優馬くんが、左手に付けた腕時計を確認して言いながら立ち上がった。


私もスマホの時計を見ると5時半を過ぎていた。


30分以上話してたんだ…。


でも、もう帰んなきゃ。


30分、短いな。


「そっか…。」


そうだよね、ただの雨宿りだもんね。


もう。


私は寂しいという気持ちを俯いて見せるという形で示した。


「…あなた。」


突然、名前を呼ばれる。


しかも呼び捨て。


私は驚いて、顔を上げた。


「明日も、ここで会おう。」


「えっ。」


驚いている私に、優馬くんは腕時計を外して私に差し出した。


「え?」


「オレ、明日もここに来る。

このハンカチ、洗って返すから。」


「えっ…。

そんな、洗わなくても、今返してくれて大丈夫だよ?」


…優馬くんって律儀な人。


「いや、申し訳ないから。

それに…」


そう言って一旦俯く優馬くん。


「?」


それに…?


ぐっと顔を上げ、私を見た。


ドキ。


「…あなたに会える口実にもなるし!」


優馬くんは少し顔を赤らめて、強い眼差しでそう言った。


ドキッ。


今までに無いくらい大きく、速くなる鼓動。


…この、気持ちは…。


「これは、約束の代償。

絶対来る、って約束。

借りてるハンカチと交換ってことで。

だから、あなた持ってて。」


そう言って優馬くんは私の手を取って、優馬くんの腕時計を握らせた。


「…分かった。

でも、こんな高価なもの…。」


壊しそうで怖いよ…。


「いーのいーの、今それくらいしか約束の代わりになるもの持ってねーし。」


でも…。


「わ、私っ…。」


声が震える。


顔が熱い。


「約束のモノがなくても、優馬くんに会いたいから…

明日は必ず、ここに来るよ?」


だから、腕時計なんて、持ってられないよ…。


そう言うと優馬はさらに顔を赤くした。


「あーも、いーんだよっ。

あなたに持っててもらいてーの。

分かった?」


優馬くんの見せた笑顔につられて私も笑顔になる。


「…うんっ。」


「じゃー明日、5時にここ、待ち合わせな!」


「うんっ!

絶対来るね!」


「オレも!

じゃーまたな!」


私は優馬くんの後ろ姿を見送った。