第12話

好き。
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2017/12/29 01:12
「失礼しまーす…」


ガラガラ、と重い扉を開けて入る。


あれぇ、司書の先生、いないのかな?


せっかく本の場所聞こうとしたのに…


これじゃー自分で探すしかないかぁ。


こんな、何千冊ってある本の中から…。


私はあれから1週間経った放課後、図書館に来ていた。


家庭科部が文化祭で出す料理、何にするか一人一人アイディアを出せって言うんだもん。


普通はクラスごと教室を使ってお化け屋敷とか、写真館とか、カフェとかお店を出すんだけど、家庭科部は別。


単独でレストランをやる。


あと、何かお菓子の販売もする。


去年はジンジャークッキーを売ったっけ。


もー、クラスとの掛け持ち大変すぎる。


今年、私たちのクラスは縁日をやるらしい。


ヨーヨー釣りとか、射的とか、わたあめとかもやるのかな?


向かいのクラスがコスプレを出すらしくて、浴衣とかもあるって言ってたから、お互いに儲かるかも!


…んで、今は家庭科部のこと!


何がいいんだろ、メニューとしては普通にオムライスとかパスタとかでいい気がするけど…。


あ、パウンドケーキとか販売するのいいかも!


どんな種類があるのか、私が思いつかないようなものがあるかとか、調べるために図書館に来た。


んーと、料理本の棚は…。


入ってすぐ左にカウンター、右は小説の棚。


カウンターの奥にあったんだっけ、専門的な本は。


そして小説の棚の奥にテーブルや椅子が置いてある。


あ、あったあった、料理の本。


って、多いなぁ…。


ふと、テーブルの方を見てみると、1人、椅子に座ってテーブルにたくさんの本を広げてる人が。


…って、あれ成宮先生じゃ。


私は驚かせようと思ってそーっと近づいた。


…あれ?


近づいてみると、先生は寝ているってことが分かった。


左手はテーブルにおいてある1冊の本に添えられ、右腕に顔を半分うずめた形で寝ている。


…綺麗な顔立ち。


先生ってイケメンなんだなぁ…。


私は静かに隣に座った。


図書館に二人きり、っていい感じ!


ドキドキするけど、幸せ。


「せーんせっ…」


優しく声をかけてみる。


ふふっ、起きない。


「…っ。」


あぁ、なんか言いたい。


今。


「先生。」


寝てるからいいよね。


ちっちゃい声で言えばバレない。


ドキドキ…


鼓動が速くなる。





「好き。」

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