無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第13話

どうしよう
「好き。」


寝ている先生に向かってそう口にする。


“先生と生徒の恋”なんて、存在しちゃいけない。


許されない。


私の想いは、先生に迷惑をかける。


直接は、言えるわけない。


告白もできない。


想いを伝えることは許されない。


だから…


寝てるあいだなら、いいでしょ?


「ふふっ…」


先生、全然起きない…。


「好き。」


もう一度口に出す。


相手は寝てるのに、胸はドキドキ言ってる。


「好き。

好き。

好き、好き…」


立て続けに“好き”を連発。


それでも先生は起きる気配を見せない。


それがなんだか楽しくなってきちゃって。


「好き好き好き好き好き好き好きー…」


私が調子に乗って“好き”を連呼していたその時だった。


っ。


「あ。」


私の声が大きすぎたんだろうか、先生は重そうなまぶたをゆっくりと上げた。


その瞬間、私の顔からサーっと血の気が引いた。


ウソ…。


起きちゃった。


…聞かれた…?


「…なんか今、“好き”って聞こえたんだけど、自意識過剰?」


先生は身体を起こして笑いながら言った。


多分、冗談のつもりだったんだろう。


先生はきっと、寝ぼけて空耳を聞いたと思い込んだんだ。


だから、和ませるためにそんなことを。


私に“そんなこと私が言うわけないじゃん!”みたいなことを言って欲しかったんだと思う。


だけどね、先生。


空耳じゃないんだよ。


その場合、冗談も冗談に聞こえなくなるの。


焦りしかないの。


笑いに気を使ってる場合じゃないんだよ。


だから私は、先生の言葉で顔を真っ赤にした。


「っ…。」


バレた。


先生のことが好きって…本人にバレた。


どうしようどうしようどうしよう…。


私の心の中はもちろん穏やかではなかった。


「え…」


私の反応に、先生も戸惑ってる。


私はガタッと大きな音を立てて立ち上がり、無造作に椅子をしまって入口まで走った。


「あ、っおいあなたっ!!」


先生の私を呼ぶ声を無視し、ドアを開けて我武者羅になって走る。


どこに行くもなにも、とりあえず図書館から離れることを目的に走った。


教務主任の先生に「走るな!」と怒鳴られたけど、そんな声はもはや私の耳には入らない。


「はぁっ…はぁっ…。」


どうしようどうしようどうしよう…。


下駄箱にたどり着き、しゃがむ。


「…ほんっとに、バカ…。」


もう先生に、どんな顔して会えばいいのか分からない。