第23話

卒業式
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2018/01/06 13:38
月日は流れ、私たちは3年生になった。


講座別授業になり、先生との関わりは無くなった。


私の講座の数学の担当の先生は、成宮先生じゃない。


3年生の教室は数学研究室とは遠く離れていて、廊下ですれ違うこともない。


それでもまだ、私は先生が好きだった。


そして、卒業式ー…


「卒業生、退場。」


アナウンスが流れ、音楽とともに前の人に続いて体育館をあとにする。


もう、この体育館を使うこともなくなっちゃうんだ…。


この廊下も、この階段も…


私の歩くこの校舎のどの場所とも、もうお別れ。


クラスメートとも、部活の後輩達とも。


教室に戻ると、どっと涙が溢れ出した。


「もー、あなた泣かないでっ!!

もらっちゃうから!」


「なっちゃぁぁぁぁんっ!!!」


私はぐしゃぐしゃの顔でなっちゃんに抱きつく。


3年生でも同じクラス、同じ講座だったなっちゃん。


でも今後はアメリカの大学に留学しちゃうの。


だからもう、しばらくは会えない。


「さびしぃよぉぉぉっ!」


「それはこっちのセリフだから!!」


なっちゃんも涙ぐむ。


うぅ、涙止まんなくなる…。


卒業ってこんなに悲しかったっけ??


中学の頃よりも涙脆くなってる気がする…。


「てかさ、てかさっ」


なっちゃんが自分と私の涙をハンカチで拭いながら言った。


「成宮先生にはいつ告るのっ??

今日でしょっ?今日!」


ドキッ。


そう。


今日はいよいよ告白の日。


先生に、告白する日。


朝から頭の片隅にずっとその事があってドキドキしてる。


「…最後のホームルームが終わったあと、もう解散でしょ?

まぁ、みんな写真撮ったりするとは思うんだけど。

そのときに、最初に、行ってこようと思う。」


先生には朝伝えておいた。


なるべく誰もいない場所がいいんだけどって言ったら、数研はその時間誰もいないって言われた。


だから、数研で待っててって。


久しぶり話した。


ほんの少し喋っただけなのに、懐かしくてドキドキした。


先生がかっこよすぎて、緊張した。


そーいえば、前に告白した場所も数研。


1年以上も前のことなんだなぁ…。


先生、思った通りまだ気持ち変わってないよ。


諦めようって思った時もあったけど、それでも無理だった。


たまに、ほんとに時々、先生を見かけたら、胸が高鳴って。


挨拶できた時はレア過ぎて、2年の頃より嬉しかった。


先生、好き。


今度は、ちゃんと振ってね。


そうしたら私は…


前に進めるから。

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