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第27話

名前
「わぁっ!

見て見て先生!」


水族館入った一番最初にいたのはクラゲ。


タタっと走って水槽に顔を寄せる。


「ちっちゃーいっ!

え、かわいーいっ!!

赤ちゃんかなぁ…ねっ?

先生!」


後ろを振り向くと、先生はゆっくりと歩いてきた。


「もー、先生早くっ!」


片手で手招きして先生を呼ぶ。


「ったく、あなたは子供かっ!」


うぅ…。


“子供”って言葉、割と傷つくんだけど…。


やっぱり私じゃ、先生とは釣り合わないのかなって…


不安になる。


「つか、やっぱ“先生”って呼ぶのやめろっ。

周りの人になんて思われるかわかんねーだろ」


「あ…。」


そうだよね。


私がまだ生徒だって思われたら、先生が…。


…ごめんなさい。


「じゃあ、なんて呼べばいい…?」


成宮くん?


変な感じー!!


それとも…


「名前。」


ぐ。


名前…。


そんなの…


「は、恥ずかしい…っ。」


呼び慣れないし…。


「あーそぉ。

じゃあオレも苗字呼びに変えるわ。」


「え、え、それはヤダ…」


「じゃあ、ほら。」


にやっと笑う先生。


うわ、絶対楽しんでる…。


「…ゆ、ゆーまっ…」


ドキッ。


呼ばれる本人より、呼ぶ私がドキドキしちゃうよ…


いきなり呼び捨てなんて、失礼だったかな?


「っ。」


え。


先生…?


顔…少し赤…


私が気がついた時には私は先生の手によって視界を奪われていた。


「え、ちょ。」


先生!?


急に何!


ここ、水族館だよ!?


人の顔隠してたら目立つって!!


「わり、ちょっと見ないで。」


「へ…?」


なに…。


あ、もしかして…。


「もしかして照れてるっ?

顔真っ赤で見られたくないとか!」


なんてね。


先生が照れるわけないよね〜…。


照れてて顔真っ赤なのは私の方。


「っバカ。

当てんじゃねーよっ…。」


「えっ…」


い、今なんと…?


先生の手を握ってそーっと下げる。


目の前には顔を赤くして立ってる先生。


「え…。」


先生…。


「名前…呼べって言ったの、先生の方なのに…?」


「うっせ。


つか、先生って呼ぶなって、今言ったばっか…」


「でも先生、名前呼ぶ度に赤くなっちゃってたら大変だよ?」


って、私もそんなこと言ってる余裕ないけど。


「うるさい。」


「わっ!」


先生がそのまま私の手を引いて歩き出す。


手!


手…繋いでるっ!


こんな先生、初めて。