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第28話

腕時計
「うわぁ、すご!」


「ね!

せっ…ゆーまっ…!」


まだ“先生”って呼びそうになっちゃう。


お昼ご飯を館内のレストランで食べ終わり、イルカショーを見る。


イルカ、可愛いっ!!


「ふっ、やっぱ水族館にして良かったな〜…」


先生も目を輝かせて見入ってる。


ふふっ、子供みたいでかわい〜っ。


「なぁ、これからどこ行く?」


目はショーに釘付けのまま、私に聞く先生。


「そーだね〜、もう見終わっちゃったもんね」


このショーが終わったら、帰るだけ。


「帰るにしてはまだ早いよな?

今何時?」


先生がそう聞くから私は腕時計で時間を確認した。


「3時…前っ。」


まだ3時。


まだ帰りたくない。


「あ、あなた。

その時計ってさ…。」


ドキッ。


先生が私の腕時計を指して言う。


「へ?

これ?」


なんか、デジャヴュ。


前にもこんなことあったような…。


「あなたっていっつもそれ付けてるよな。」


「う、うんっ…。

変…?」


そんなにおかしいかな?


男物だから?


やっぱ、彼氏以外からもらったもの付けてるのって、嫌だよね…。


「いや、別に。

それお気に入り?」


…質問の意図が分からない…。


「え…?

うん、まぁ。」


「そっか…。」


先生…?


なんで、そんな嬉しそうな顔してるの…?





「なぁ、さっきの話の続きなんだけど…」


水族館を出て車に戻った時、先生は言った。


「うん?」


「その時計、誰からもらった?」


あ、やっぱりそこ気になる…?


「ちゅ、中2の時に…会った男の子に…。」


「へぇ…。

その人のこと、好きだった?」


ドキッ。


な、なんでそんなこと…っ。


「う、うん…」


「ふぅん。」


ドクッ。


なんだろう、この重い雰囲気。


先生、私のこと…


「あ、あのっ、先生が嫌なら、外すからっ…!」


「へ?」


私が言うと、先生の拍子抜けした声が聞こえた。


へ?


「いや、別に嫌じゃないよ。

…むしろ、嬉しい。」


「…は?」


わけがわからないのですが。


「ふっ。

間抜けな顔。」


なっ…。


先生は一呼吸置いて言った。


「4年前、あなたに腕時計を渡した男は…オレだよ。」