そして、その数日後
火夜の家に8人の人達が集まった
その人たちの隣には水翔たちと同じように生き物の姿があった
大方の事情は説明してるのか、不審がられる様子はなく
どちらかというと好奇心の目であたしを見ている
「…あたしの事、疑ったりしないんですか?」
そう聞くとつり目の人が答えた
「まあ、おかしななりしてるけど水翔が許したんなら大丈夫かなって」
水翔って信頼されてるのかな?
「よし、皆集まったな」
そんな事を考えてると水翔があたしの隣に座った
「じゃあ、始めるぞ。コイツがさっきお前らに話した未来だ。んじゃ、簡単な紹介頼むわ。力のことも含めてな」
「う、うん」
あたしは少し緊張しながらも
自分のこと、タイムスリップのこと、力のことにつあて話した
話を終えると優しそうな茶髪の人が口を開いた
「…私たちの他にも陰の存在が見える者がいたんですね。しかも、来世に…」
「ああ」
「陰の存在?」
「未来。お前、陽と陰の存在に関しては聞いたことはあるか?」
フルフル
あたしは首を横に振った
「この世には陽と陰、2つのものが同時に存在している。陽は人間や動物、植物など目に見えるもののこと。そして、陰は幽霊や物の怪、伝説とされる生き物など目に見えないもののことだ。普通のやつには陰の存在は見えないはずなんだが、お前にはそいつらを見る不思議な力があるようだ」
「はあ…」
「さっき、陽と陰は同時に存在するといったが決して交わることはない。俺らを除いてはな」
「俺らって…まさか…」
すると、水翔は口許を緩めた
「ご名答。お前に見えてる隣の生き物は陰の存在、神獣・霊獣と呼ばれるものだ。数百年に1度、こいつらを宿した主、“宿主”が生まれてくる。今代ではここにいる俺たち8人が神獣・霊獣の宿主だ」
何だか話が壮大になってきたな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。