「じゃあ、順繰りにいくぞ。まずは火夜からだ」
「うす」
そう言うと改めて火夜はあたしの方に向き直った
「んじゃ、改めて当代の朱雀の宿主、火夜だ。朱雀は火を司る神獣で俺も火を自在に操れる。俺は農家の家出でここで1人暮らししてるから好きなだけくつろいでいけよな」
「じゃあ、光優」
「おう」
次にあたしに向き直ったのはさっきのつり目の人
「俺は当代のアイ・トヨンの宿主、光優(コウ)だ。アイ・トヨンは光を司る霊獣で俺も同じように光を操れる。ちなみに瞬間移動も可能だ。俺は火夜と違って漂流者で頼まれた荷物を運ぶ運び屋をしてる。まあ、よろしく」
「次、雷羅」
すると、本を読んでいた銀髪の人が顔を上げ、あたしに向き直った
「…当代の雷獣の宿主、雷羅(ライラ)だ。雷獣は字のごとく雷を司る霊獣で俺も操ることができる。俺も光優と同じく漂流者で物語を書きながら、気ままに旅をしてる」
そう言うと雷羅さんは再び本を読み始めた
口数が少ないのかな?
「じゃあ、次に金斗」
「おう」
今度は童顔で頭にタオルをまいた人があたしの方に向き直った
「俺は当代の白虎の宿主、金斗(カナト)。白虎は金を司る神獣で俺は金属類を自在に生み出すことができる。少し離れた町で刀を作る職人をしてる。よろしく」
「次に唯風」
「はい」
次に優しそうな茶髪の男の人があたしに向き直った
「初めまして。当代の八咫烏の宿主、唯風(イフウ)と申します。八咫烏は風を司る霊獣で私も自在に風を操れることができます。幼い頃から一聖の一族に仕え、一聖の子守りをしております」
「子守りって何よ!」
唯風の言葉に反論を唱えたのは綺麗な和服を着た女の子
「…じゃあ、そのまま一聖」
すると、その女の子はあたしの方に向き直った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!