無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第13話

夢 ②

あたしはある町をしきる大名の1人娘だった。端からみたら贅沢、裕福と思われるかもしれない。けど、実際は腹の探り合い、権力の奪い合いが表面下で日々繰り広げられ、息のつまりそうな世界だった。優しかった父上も母上が賊に襲われ、亡くなったことにより人が変わってしまった。地位や名誉、権力をどうしてそこまで欲するのかあたしには理解が出来なかった。そんなあたしが唯一心を許せたのは…

「一聖様、食事をお持ちしました」

幼い頃からあたしに仕えている唯風だけだった

「だから、敬語は止めてって言ってるでしょ?」

「ですが、私のような立場の人間が…」

「っ~、いいから!あたしと話すときは敬語禁止!命令よ!」

「…分かりました。では、名前だけはそうさせていただきますね、一聖」

唯風との時間だけは何をしてても楽しかった。環境のせいで何も知らなかった自分を、心から笑えなかった自分を変えてくれたのは紛れもなく唯風だった

少し前から唯風の雰囲気が変わった気がした。けど、言葉に出来なくて尋ねることは出来なかった。転機が訪れたのは10歳の時…唐突に自分が何者であるのかを悟った。同時に唯風の雰囲気がどうして変わったのかを理解した

「唯風、こんな近くにいてくれたんだね」

「私も驚きました。会えて嬉しいです、一聖」

嬉しかった。こんなにも近くに仲間がいてくれたことが

「ねえ、唯風は願いとかある?」

「どうしたんですか?突然」

「あたし、唯風と同じ時代に生まれて…こんなに近くにいてくれて嬉しいよ。けど、もしまた生まれ変わったら戦のない世の中で今度は唯風と対等になれる立場でいたい。主従関係もなく、ただの仲間として隣にいてほしい」

「…私もそうなると嬉しいです」

それは麒麟の宿主の願い




















私は代々、大名に仕えている一家に生まれた。幼い私も当然、その役目を仰せつかうことになった。だが、そんなものはただの名目に過ぎなかった。私の父上は権力や地位を欲し、大名を今の地位から引きずり下ろす策ばかりを考えていた。私も何か弱味を見つけたら報告しろと言われたが、そんな気にはなれなかったし、興味も沸かなかった

「今日からお前が仕えるお方、一聖様だ」

私が仕えるになったのは同じ年の女の子だった

「貴方が私に仕える人?名前は?」

「い、唯風と申します。一聖様」

「敬語じゃなくていいよ!よろしくね(ニコッ」


正直、大名などの貴族には嫌悪すら感じていたが、不思議と目の前の女の子には感じなかった。それは彼女の瞳があまりにも真っ直ぐに私を見てくれたからかもしれない。一聖は初対面の時から自由奔放で私を連れ回し、困らせた。けど、不思議と嫌だとは思わなかった

転機は10歳の時…唐突に自分が何者であるのかを悟った。そして、その数ヵ月後に一聖も目覚めた事を知った

「会えて嬉しいです、一聖」

嬉しかった。一聖が私と同じ仲間だったことに

「ねえ、唯風は願いとかある?」

突然、一聖がそんな事を言った

「あたし、唯風と同じ時代に生まれて…こんなに近くにいてくれて嬉しいよ。けど、もしまた生まれ変わったら戦のない世の中で今度は唯風と対等になれる立場でいたい。主従関係もなく、ただの仲間として隣にいてほしい」

それは自分には本当にもったいない言葉だった

同時に自分もそうなってほしいと思った

「…私もそうなると嬉しいです」

涙を堪えながら私はそう答えた

貴方がそう思ってくれて嬉しかった。だから、私は…

風の噂を頼りにある職人のもとを訪れた

「…金斗様、ですね?」

「何だ?お前は」

「唯風と申します。頼みがあってきました。小さな刀を作っていただけませんか?私の主人を…いえ、大切な人を守れるように…」

死んでも貴方を守ります

それは八咫烏の宿主の覚悟