プリ小説

第14話

夢 ③

あたしは両親の顔を知らない。生まれた時はすでに薬剤師である師匠と共に色々な村を旅していた。どうして師匠があたしと旅をしてるのか、自分の両親はどうしてるのかさっぱり分からなかったが、師匠がよくしてくれたから別に知りたいとは思わなかった。師匠はあたしに生きる術を、薬草の知識を、人として当たり前のことを教えてくれた

転機が訪れたのは10歳の時…唐突に自分が何者であるのかを悟った。同時に同じ仲間が7人いることを知った。しかし、今は行くべき時ではない。いつか会えると信じて師匠に恩返しするために、旅を続ける道を選んだ。その3年後…師匠は不治の病に倒れた。自身の知識ではもちろん、師匠の知識をもっても治すことは出来なかった

「未地。もう良い。私はもう駄目だ」

「っ……師匠!諦めないでください!!」

「いや、自分の身体だ。もう長くないことは感じていた。……未地、その冊子をとってくれないか?」

「?はい」

それは旅の中で師匠が書き留め続けた薬草の記録だった

「それをお前にやろう。いつか、お前の仲間に会えたら使いなさい」

「!気づいてたんですか?」

「何となくだがな。ありがとうな、未地」

「…っ……あたしの方こそ…ありがとうございました…」

師匠は静かに息を引き取った。眠りについたような穏やかな表情で…

師匠が亡くなってから2年が経ったある日

「よう!お前が玄武の宿主か?」

「貴方は…青龍の?」

「そう。俺は今代の青龍の宿主、水翔だ。お前は?」

「未地よ」

「なあ、俺と一緒に旅しねえか?他の仲間を探しにいく旅(ニカッ」

「…いいよ」

あたしは不思議な雰囲気をもつ彼と旅をすることにした

それは玄武の宿主の追憶























俺の一族は有名な武家の一族で代々将軍として軍を仕切っていた。父は剣術の才能があり、俺もまたその才能に恵まれ、将来は父の跡を継ぐと思っていた。そんな父の口癖はこうだった

「水翔、俺はお前にこういう将軍になれとは言わない。だが、1つだけ願うなら人のために剣を使え。大切な人を己の剣で守れ」

厳格だが芯の通った父、優しい母、自分を気遣ってくれる使用人たち。そんな人達に囲まれた日々は幸せだった。だが、その幸せは長くは続かなかった。転機は10歳の時…一族の才能を恐れ妬んだ者たちが刺客を差し向けてきた。次々と殺される使用人、母、父……俺の大切な人々。いくら強くても1人じゃ多数には勝てない。いくら才能があっても子どもでは力で大人には敵わない。ただ見ている事しか出来なかった。そして、刺客が俺に斬りかかろうとした刹那…

「やめろーーーーー!!!!!」

気がつけば俺の周りにいた刺客は1人残らず凍りついていた。同時に自分が何者であるか理解した

「何で…」

この力がないと分かれば諦めがついたのに…

もっと早く目覚めていればと思わずにすんだのに…

「守れなくて、ごめんなさい」

大名に頼み込み、皆を埋葬してもらった

“人のために剣を使え。大切な人を己の剣で守れ”

「分かってるよ」

それは青龍の宿主の誓い





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ミサ
ミサ
気ままに小説書いてます(*´∇`*) 少しでも楽しんでいただければ幸いです! 『最後の贈り物』…完結 『時を越えて、何度でも』…完結 『今この時、この瞬間は…』…完結 『貴方の心に咲く花は…』…執筆中 『それでも貴方は…』…執筆中 『僕を忘れてしまった君へ』…執筆中
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