プリ小説

第26話

唯風の思い

唯風「好きにお座りください。今、お茶をいれます」

未来「ありがとうございます」

整った部屋だな

唯風「どうぞ」

未来「ありがとうございます」

あたしはお茶を一口飲んだ

さっきの出来事のせいか、ほっとした気がした

唯風「先程は災難でしたね。気づくのが遅れてしまい、申し訳ありません」

未来「唯風さんは悪くないです。あたしが勝手に出歩いたから。あのどうして私にも敬語なんですか?」

唯風「客人に敬語を使うのは当たり前です。あ、未来様は私にお使いにならなくて大丈夫ですよ。私の場合は癖のようなもので。あまりお好きではないでしょうか?」

未来「やっぱり、緊張するかな。でも、癖なら仕方ないです。だから、せめて名前だけ呼び捨てにできませんか?」

唯風「では、今後はそうさせていただきます」

唯風はニッコリと笑った

あたしは気になっている事を話してみることにした

未来「あのね、城に来たとき金斗に唯風と一聖以外は信用するなって言われたの。どうしてだか分かる?」

すると、少し唯風の顔が曇った

唯風「はあ…。相変わらずいらない事を言いますね、彼は」

未来「え?」

唯風「あまりいい話ではないので、話さない方がいいかと思ったのですがさっきの事もありますね。私の記憶はご覧になりましたか?」

未来「は、はい」

唯風「この城内では常に水面下で覇権争いが行われています。そのために他人の顔色を伺う者、他人を蹴落とそうとする者、権力に囚われた者など汚れた考えをもつ者が溢れています。一聖は大名の1人娘ですからね。婚姻を交わし、地位を狙う者も多いでしょう。恐らくさっきの男も貴方から情報を聞き出そうとしたんだと思います。金斗が言ったのはそういうことでしょう」

未来「そんな事が…」

まるで、ドラマのような世界だ

唯風「一聖はそんな地位や権力になんて興味がないんです。ただ外の世界に仲間や自由を求めてるんです。だから、私がちゃんと守って差し上げたいんです」

未来「…唯風は一聖の事を本当に思ってるんだね」

唯風「もちろん主としてです。けど、それだけじゃないかもしれません。小さい頃に一聖が言ってくれたんです」


“もしまた生まれ変わったら戦のない世の中で今度は唯風と対等になれる立場でいたい。主従関係もなく、ただの仲間として隣にいてほしい”


唯風「嬉しかった。だからこそ、私は一聖を命をかけて守りたいし、幸せになってほしいんです」

未来「一聖なら言いそうだね。……あ」

あたしの頭に1つの考えが浮かんだ

未来「唯風が一聖と結婚するのは…駄目?」

唯風「!」

未来「それなら唯風の望みも叶うし、一聖だって…」

唯風「未来」

さっきよりも低い唯風の声

あたしは思わず黙りこんだ

唯風「それ以上は言わないでください」

その顔があまりにも苦しそうで何も言えなかった

唯風「…そろそろ戻りましょうか」

あたしは唯風に送られながら部屋の前に戻った

唯風「では、おやすみなさい」

唯風はそのまま行ってしまおうとしたがこのままで終わるのは嫌だった

未来「唯風!」

唯風「!」

未来「さっきはごめんなさい。あたし、唯風はすごいと思う。それだけ大切な人の事を思ったり、守ったりするなんて中々出来ないと思うから。きっと一聖も嬉しいと思ってるよ」

ありがとう、唯風

貴方のおかけで大切な人を守ることとはどういうことか知ることができた

未来「でも、あんまり無理はしないでね」

唯風「…ありがとう、ございます。そういえば忘れてましたね」

そう言って唯風はあたしの守護石に手を翳した

すると、守護石の一部分が茶色に染まった

唯風「では、おやすみなさい」

未来「おやすみなさい」

唯風を見送り、あたしは部屋の中に入った

布団に入ると数秒もしないうちに、眠りについた



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ミサ
ミサ
気ままに小説書いてます(*´∇`*) 少しでも楽しんでいただければ幸いです! 『最後の贈り物』…完結 『時を越えて、何度でも』…完結 『今この時、この瞬間は…』…完結 『貴方の心に咲く花は…』…執筆中 『それでも貴方は…』…執筆中 『僕を忘れてしまった君へ』…執筆中
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