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第32話

異変

あの宴会から1週間が経った

唯風「一聖、入りますよ」

そう言って襖を開けると、一聖は力なく横たわっていた

一聖「…唯風」

唯風「気分はどうですか?」

一聖「…良くないかな」

3日ほど前から一聖は嫌な感じがするともらし、寝込んでいる状態である

感知能力に長ける一聖は様々な影響を直に受けやすいのだ

唯風「気配の方に何か変化はありますか?」

一聖「だんだん強まってる気がする。……ごめん、制御してて根源の場所が正確に分からないの」

唯風「いいんですよ。無茶はしないでくださいね」

一聖「1つじゃない。大きくは4つのところから。でも、1番強く感じるのはここなの」

唯風「城が?」

一聖「うん」

唯風「……」

この城は欲と憎悪にまみれている

負の感情はそれだけでよくない事を引き起こす

今後、注意をしていた方がいいかもしれない

唯風「近々、皆に伝えた方がいいですね。明日あたりにまずは金斗のところに行きましょう」

一聖「うん。ちょっと厠に行ってくる」

一聖が廊下に出ると1人の女官がうずくまっていた

女「うう……あ…ぐあ…ん……」

一聖「どうかしたの?」

だが、女官は答えずに顔を押さえて唸るばかり

一聖「少しくらいなら…」

力を使おうと手を出したその時…

唯風「一聖!下がって!!」

女「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

女官は人ではない顔で一聖に襲いかかった

ザシュッ

が、間一髪のところで唯風の小太刀によって倒れた

唯風「大丈夫ですか?」

一聖「うっ……」

一聖に宿る麒麟は命を奪う行為を嫌い、血が苦手である

そのため、宿主である一聖も同様に気分が悪くなるのだ

唯風「一聖!しっかり!……ハッ!」

何か気づき辺りを見回すと女官だけではない

他の者達も人ではない顔となり

唯風たちを狙っていた

唯風「これは…」

一聖でなくても感じられる嫌な気配

きっと、他の仲間も感じているはずだ


“1番強く感じるのはここなの”


唯風「ならば、根源もどこかに…」

一聖「……っ………」

唯風は一聖をゆっくりと背負った

唯風「一聖、今から根源と思われる場所に向かいます。それまでは目を閉じていてください」

コクリ

一聖が頷くのを確認して唯風は小太刀を手に取った

唯風「出来ることなら無意味な殺生はしたくありません。しかし、それでも道を阻むのなら容赦はしませんよ」

そう言って唯風は最上階に向かって走り始めた