第41話

5人、6人
93
2018/03/05 04:31

未来「!…火夜まで…」

次々と消えていく仲間たちの気配

どうしてこうなったんだ

あの時、そばにいれば変わってたのではないか

そんな思いばかりだった

だが、立ち止まってはいられなかった

未来「早く2人に追いつかなきゃ」

未来もまた城までの道のりを走り出した































光優「はあ…はあ…。いや~、結構キツいわ」

今の光優は反動で目がほとんど見えていない状態だった

辛うじて音や気配でかわしてはいるが、もうかなりのダメージを食らっていた

光優「こうなったら仕方ないか」

光優は剣を地面に突き立てるとそのまま地面に手をつけた

光優「これやったら金斗さんに怒られっかな?」

今から自分が行う行為の意味は十分理解している

だが、後戻りするつもりは毛頭ない

順風満帆という人生ではなかった

悔いもあった、哀しみもあった

だが、それを上回るほどの仲間たちに俺は出逢えた


“光優って本当のお兄ちゃんみたい”


光優「なんで、今思い出すんだろうな」

すんません、金斗さんたち

向こうで待ってますわ

光優「光輝燦然!」

そう唱えると、辺りは眩しい光に包まれ

残ったのは白い守護石だった

やがて、その守護石も砕け散った

































向こうの方に眩しい光が見えた

そして、それが消えた途端、光優の気配が消えた

金斗「あの馬鹿…」

自分を犠牲にしてまで相手に勝つことを俺たちが望んでると思ってるのかよ

ギリッ

金斗は唇を噛みしめた

【どうした?随分と悔しそうだが?】

目の前の渾沌(コントン)は相変わらず妖しく笑っていた

だが、次の瞬間には金斗は笑みを浮かべていた

金斗「悪い、悪い。そう見えたのなら謝るわ」

それがお前の覚悟なんだな

金斗「それ、逆だから」

なら、俺も見習わなきゃ男が廃るぜ

【何を言っている!!】

渾沌(コントン)は金斗めがけて突進してきた

だが、金斗は避けることなく剣を構えた

ガブッ グサッ

渾沌(コントン)が噛みつくのと、金斗が突き刺すのはほぼ同時だった

【ははっ、相討ち狙いか!だが、俺はこの程度では!】

金斗「いーや、これで終わりだ。……欣求浄土」

金斗がそう唱えると渾沌(コントン)の身体が金色に染まっていった

【な、何だ!?】

金斗「安心しな。全てが金となり、土に返るだけさ」

【や、やめろー!!】

あばよ

やがて、渾沌(コントン)と金斗は金に変わり、土となって消えていった

その瞬間、残っていた橙色の守護石が砕け散った

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