未来「!…未地」
やっとの思いで未来は2人のいる最上階に辿り着いたが時既に遅かった
未来「水翔…」
そっと肩に触れようとした時…
水翔「触るな!」
未来「ビクッ!!」
水翔「もう、俺は誰とも触れる資格がない。俺は両親も、家族も、仲間も……誰1人守れなかった」
これが、あの水翔なのだろうか
未来はすぐには信じられなかった
水翔「だから、お前も俺に近づくな。これ以上、仲間が傷つくのなんて…」
けど、放っておくことなんて出来なかった
ガッ!!
未来「水翔!あたしを見て!」
水翔「!」
未来「そうやって今までのことを全て否定するの?辛かったことだけじゃなくて、楽しかったことや嬉しかったことも…。そんなの水翔じゃない!未地がいたら絶対怒る!」
水翔「……」
未来「仲間を守れなかった。確かにそれは事実かもしれない。けど、1人で背負い込みすぎだよ!あたしだって………何も出来なかった」
あたしは見ていることしか出来なかった
未来「あたし守護石からみんなの最後を視たの。みんな、悔いはあったけど出逢えたことに感謝してた。出来ることなら来世でも出会いたいって!今代は守れなかったかもしれない。けど、その思いがあれば何度だって会うことができるはずだよ!」
あたしはそう信じたいよ
水翔「…そう、だな」
次の瞬間、水翔はその場に倒れた
未来「水翔!?」
水翔「…悪い。さっきの技で反動が出ちまった。多分、回復は不可能の領域まで…」
未来「そんな!」
あたしは必死に水翔の身体をこすった
だが、水翔の身体はどんどん冷えていくばかりだった
未来「こんな、こんなことって…」
水翔「…なあ、未来」
未来「なに?」
水翔「もし、来世に生まれ変わったらお前も待っててくれるのか?」
未来「…っ………待ってる。絶対待ってるから!」
水翔「…よかった。お前の手、温かいな」
そう言って水翔は目を閉じた
未来「!水翔!目を開けて!水翔ーー!!」
だが、あたしの声が水翔に届くことはなかった
その時青色の守護石が砕け散った
次の瞬間、辺りが光に包まれた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。