第66話

死 _

3,838

2018/01/30 10:16

ー葬式から十日後ー

翠は沢山の人に見送られ

最期を締めくくった

多くの人が涙を流していたらしい



私は毎日、三角公園に行っている

三角公園に行けば

翠に会える気がしたから_



ー夜10時ー

お母さん

どこ行くの？あなた

玄関先に向かう私を見て

お母さんが話しかけてきた

あなた

三角公園。

翠に会いに行くの

お母さんが静かになる

お母さん

ねぇ..あなた..？

翠くんが居なくなって

悲しむのは分かるよ？

でもね、？もう戻っては来ないの

あなた

そんなことないよ

翠が私を置いてくはずがない

約束したんだもん

お母さん

..あなた

目を覚ましなさいっ。

もうこの世には..っ

あなた

そんなの信じられないよ！

そう言って私は家を飛び出す

お母さん

はぁ、言い過ぎちゃった

ー外ー

あなた

翠..

考えてみたら

翠が亡くなったと聞いてから

東京には帰らずにずっと実家にいる

東京の友達にも沢山のLINEを貰っているが

どれも返していない

ステータスに実家帰省中と書いただけだった

あなた

置いてかないもんね..

そんなことを考えながら

三角公園に行った


夜空にある沢山の星々が

出迎えてくれてるように見えた

あなた

翠..なんで来ないの..

あなた

ここから飛び降りたら..

あなた

翠に会えるの..？

崖の上のところにある

三角公園。

落ちれば命に関わる危険な場所でもあるが

1mくらいのさくのみで覆われている

あなた

会いに行くね今から

そう言って私は

さくに身を乗り出した

あなた

翠..会おうね

そう言って飛び降りようとした瞬間..

樹

やめろ！

実空

やめてっ！！

驚いたせいで

身を乗り出したはずの体は

地面についていた

あなた

だれ..？

死なせてよ！翠にあわせてよ！

暗闇のもやから見えてきたのは

樹と実空だった

あなた

樹と実空..

2人なら私の気持ちわかるでしょ？

樹

分からない

実空

私も

あなた

なんで..

なんでよ..っ！

樹

あなたが死ぬのを

翠は望んでないから

そんな事されてまでして

翠はあなたと会いたいとは
思ってないよ？

実空

うん翠が望んでることじゃない

あなた

私が望んでるの..

樹

翠だって

死にたくなかったはずだよ？

もちろんあなただって居るし..



でもあいつの正義感があったから

小さい子の命が救われたんだよ

実空

危険が迫ってる所で

翠は自分の命じゃなくて

小さい子の命を選んだ

そんな正義感の強い人が

あなたが死んで嬉しいと思う？

むしろ悲しむよ？

今のあなたは翠の気持ち

全然わかってないよ？

あなた

...

実空

家に帰ろ..？

樹

お母さんが心配して待ってるよ

あなた

ｺｸﾘｯ）

2人の意見に

ただ耳を傾けることしか出来なかった



ー家の前ー

樹

着いたね

実空

うんそうだね

樹

元気に過ごさねーと

翠が悲しむぞ

あなた

う、うん..

あなた

樹...？

樹

どした？

あなた

樹は
いつ海外に戻るの..？

樹

実は明日なんだ

大学も休み取っちゃって

やべーし帰らなきゃ

あなた

そっか..今日はありがとね

実空

あなたっ！元気出してね？

あなた

うん、ありがとう

じゃバイバイ

1回も笑わなかった


家に入る

あなた

ただいま

お母さん

おかえり

お母さん

ごめんね

お母さん言い過ぎちゃって..

あなた

大丈夫だよ

ごめんねこんな娘で

お母さん

あなたは

最高の娘だよ

あなた

...え？

お母さん

お母さんにとって

かけがえのない人


お母さんにとってのあなたが

あなたにとっての

翠くん的存在なんだと思う

あなた

...

お母さん

お母さんも考えてみたの

急にそんな人が

いなくなっちゃったら..って

あなた

うん...

お母さん

お母さんも現実見れないと思う

あなたの感情は

当たり前なんだと思う


それなのにお母さん

強く言っちゃって

本当に反省してるの

あなた

大丈夫だよ
お母さん

お母さんが言ってること間違ってない

もう翠には会えないんだよ

お母さん

...っ

あなた

だから..前向くことにしたっ！

お母さん

え？

あなた

もう前向かなきゃ始まらないから！

翠の為にも精一杯生きるの！

お母さん

うん、？

あなた

明日東京に帰るね！

また前の生活始める！

お母さん

...大丈夫なの？

あなた

心配しないで！

もう私は決めたの！

お母さん

うん😊

お母さんは微笑んでくれた

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第67話思い出と共に _

愛莉 💓