第2話

日常
64
2017/12/28 02:47
香織
おはよ!
何時発の電車乗ってく?
あなた

多分、7:45発。

香織
り!じゃあ、駅で待ってるね!
高校に入学して3ヶ月、私の数少ない友達のうちの一人、香織は、割と近くに住んでいるため、毎日こうして私と一緒に登校している。

香織は、可愛くて、活発。私とは正反対なのに、なぜかいつも仲良くしてくれる。





「あなたー!こっちこっち!」

駅に着いてから、香織がすぐに声をかけてくれた。

「おはよ。」

「おはよ~、ねえ、今日も裕也先輩いたの!!もう、嬉しすぎで泣きそう~」

「それ、毎日言ってない?」

「だってほんとにかっこいいんだもん。」

「そう?別にそんなにかっこいいと思わないけど。」

「え~、だったら、一体どんな人ならかっこいいの?」

「さあ?かっこいいなんて思った人がいないから。」

私にとって、一番かっこよかったのは、お父さんだったし―

お父さんは、生前は毎日仕事にあけくれていた。おかげで、なかなか遊ぶことはできなかったけれど、仕事から帰ってきた後は、いつも私に1冊だけ絵本を読んでくれていた。

「…っあなたっ!」

「え!?」

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