「それって、もしかして、シルクハット被ってた、なんか変な人!?」
「シルクハット?そんなん被ってなかったよ?てゆうか、あなた、心当たりあるの?」
「いや、別に…」
駅で見かけた人なら、香織も気づくはずだもん…人違いか。
それにしても、あの人、一体…
「その人、すっごくイケメンでさ~…」
「はいはい、ちょっと疲れてるんだから、静かにして。」
「は~い、まあ、病人だもんね~。私は学校戻るから、お大事に!」
「ありがとね。」
「いえいえ☆」
香織は、ピースサインをしながら、病室を出て行った。
ふぅ、意外としんどいなぁ。まだお昼だけど、一度寝よう。
そう思って、目を閉じた時―
「こんにちは。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。