第5話

開幕
56
2017/12/28 12:31
「こんにちは。」

目の前に、あの「誰か」が立っていた。でも、シルクハットは被っておらず、普通の装いだった。

「あなた、駅で…。それにしても、どこから現れたんですか!?」

呆然としながら、私はどこか落ち着いていた。

「突然、失礼。私は…愁(しゅう)と申します。大変差し出がましいのですが、私の国へお越しいただけないでしょうか。」

「私に、一体何の用があるっていうんですか。」

「それは後程。私は、あなたのお父様にお会いしたことがあります。」

「私の父に?」

お父さんの事を話に出しているということは、私の事情も知っている…?

「あなたの『悩み』も解決できるやもしれません。」

お父さんのあの言葉の意味が、分かるかもしれない…?たとえ、危うい道でも、お父さんのあの言葉の意味がわかるのなら…

「わかりました。行きます。」

「感謝申し上げます。では、こちらへ。」

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