第12話

解放
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2018/01/06 10:46
「ええ、もちろん。」

その後、私は城から解放された。

一か八かの勝負だったけど、とりあえずこの苦境は乗り越えられた。でも、ここからどうしよう。

そしたら、あの、愁が目の前に現れた。
姿格好は駅で見かけた時と同じだった。

「ちょっと、説明しなさいよ!どうして私をここに連れてきたの?いきなり1人にされて、色々大変だったんだから!それに、私、ここを…」

「その事は存じ上げております。申し訳ありませんが、今は呑気に説明している場合はございません。とにかく、この先にある街の、緑色の屋根の帽子屋へ行ってください。では、失礼。」

「ちょっと、話はまだー」

それだけ告げて、愁は姿を消した。

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