第20話

時間
39
2018/01/12 13:56
「お父さんが、ここへ?」

「そうだよ。あの時計を作ったとき、私や、この国が生まれたんだ。彼は私をこの国にとっての『時間』として存在させてくれた。それから、この国は人々で溢れ、賑やかになっていったんだ。君のお父さんは、この国の存在を知ってからは、外の世界のものを色々持ち込んでは私達を楽しませてくれたものだよ。」

老人、いや、『時間』は、とても和やかな顔で昔の出来事を話してくれた。

「しかし、ある日からぱったり、彼はこちらへ来なくなってしまった。」

「それって、もしかして…」

「ああ、あの忌まわしい出来事のせいでね。」

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