第23話

裁判
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2018/01/12 14:27
「こっちで牢獄で過ごしたから、お父さんは、あんなことに…」

「そちらの世界でも、君のお父さんは死んでしまっているのだろう。どうなったのか、教えてくれないか。」

「…お父さんは、殺人事件の容疑者にされたの。殺人現場の近くにたまたまお父さんが1人でいて…。しかも、運の悪いことに、お酒を飲んでいたから、その時の記憶が曖昧で…警察は、お酒を飲んでいたせいで口論にでもなって、被害者を殺したと公表した。

お父さんは、裁判で必死に戦った。でも、何も、報われなかった…」

「辛かっただろう。」

私は首を横に振った。

「私は、お父さんを信じなかったの。無実を主張していたお父さんを。お父さんが容疑者にらされてから、私は学校で虐められ始めた。家に嫌がらせもされて、もううんざりしていて、お父さんのことをすごく、恨んだ。」

「でも、君は、こうして今、お父さんの事を知ろうと奮闘しているじゃないか。罪悪感だけじゃない、本当はお父さんを信じていたんじゃないか。じゃなきゃ、『一番大切なこと』がお父さんなわけないだろう。」

私は泣いた。声をあげて泣いた。こんなに泣いたの、何年ぶりだろう。

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