第29話

崩壊
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2018/01/12 15:57
私が向かった先は、お父さんの実家だった。
おじいちゃんとおばあちゃんは、息子の死にショックを受けて倒れ、亡くなってしまった。
私と母が遺品整理をし終えたので、あと数ヵ月後には取り壊す予定だった。

家から取ってきた鍵で扉を開ける。
そして、私は幼い頃に見かけた、父の作業場へと駆けた。

あった。そこには、あの世界で見た時計の彫刻と同じものが彫られた扉があった。

扉を開けると、様々な時計があった。
その中から、私は例の時計を見つけ出し、
力いっぱい拳を振り上げて、時計を壊した。

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