第22話

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2018/01/07 23:06

あれから一年が経った頃。
この一年で 俺達の関係は大きく変わった。

足繁く 彼女のいる花壇に通っていたおかげで、俺だけに見せてくれる顔は増えていき、念願の笑顔を目をすることも出来た。

最近では 二人で帰路を共にすることもある。
好き…なんだけど

告白をしたのは、そんな ある日の帰り道でのことだ。
その日はすっかり日も暮れていて、二人を照らすのは街灯の明かりだけだった。
あなた

…うん


彼女は小さな声でそう言い、俺の数歩後ろで立ち止まる。

暖色の街灯の明かりに照らされたあなたの顔を目にした時、ようやく その返事の意味が分かった。
えっと…じゃあ、付き合う?
あなた

よ…よろしくお願いします


耳まで赤く染めた彼女の手を握ったのは、この時が初めてだった。


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