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第10話

一緒に居ろよ?
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2021/06/02 03:26
私は影山くんに一応あなたちゃんが帰ったことを伝えようと思って待っていると勢い良く走ってくる。
飛雄
谷地さん!あなたどこ行ったかわかるか?
仁花
あ、もう帰っちゃったよ?
飛雄
帰った?
仁花
う、うん
怒鳴られる感じになり、うまく言葉が出玉無くなった。
伝えそびれていたことに気がつき影山君のいたところを見るとそこには居ず、先を走っていた。
仁花
図書館寄るって伝えるの忘れちゃった…




あなたが帰った?
今までもそんなことはない無かったのに流石に怒らせ過ぎたかも。
飛雄
くそっ!
走ってあなたの家に向かう。

前を歩く人影が見える、間違えるはずがないあなただ。
飛雄
あなた!
呼ばれたことに気がつき、こちらを見る。

げっと顔をひきつらせ、走り出した。
飛雄
何で逃げんだよ!
あなた

鬼の形相で走ってくるからだろ!

飛雄
は?!
あなた

声でかい!近所迷惑になるでしょ!

あなたは静かに怒る。
飛雄
なら、逃げんなよ!
あなた

あ?!
うっせ!先帰る!

あなたはそう言って全速力で家に向かう。

俺もあなたを追うがなかなか追い付けない。かけっこであなたに勝ったことが一度もないことをふと思い出す。
あなたが玄関に着くとほぼ同時に飛雄はあなたに追い付く。
あなた

ハァハァハァ、ゲッホ。
久しぶりに全速力でこんだけ走ったわ。ゲッホゲホ

飛雄
ハァハァ。あなた、やっと追い付いた。
飛雄はさも当然のようにあなたの家へと入って来た。
飛雄
て言うか、お前何で怒ってるんだ?
あなた

怒ってない…

すっと飛雄から目を離す
飛雄
怒ってんじゃん
ぶすっと若干頬を膨らませて小さく言う
あなた

別に、私が起こしてもキレながら起きてきた飛雄を怒っているわけじゃないよ?

嫌味ったらしく言い放つと言い返せないことに気づき小さく頭を下げる
飛雄
す、すまん。
明日は気をつける…。
笑みがこぼれ、ふふっと声が出てしまった。

こんなのもいつもの事、毎度この可愛らしい謝罪には弱いのだ。


だって悪いかとした事をわかってる大福のように、ちょっと申し訳なさそうにこちらをくりくりした目で見てくるから。
あなた

いいよ、許してあげる!
その代わり…!!

飛雄
な、何?
ビシッと指をさして言うと小さく戸惑いを見せた。
あなた

私とずっと一緒にいてよね?
清子先輩とか仁花ちゃんとかに目移りなんてしたら一生許さないからな?

ニッと歯を出して笑えば、きょとっとした後飛雄もニッと歯を出して笑い、私を抱きしめそっとキスをしてくれた。
飛雄
当たり前だろ?
むしろ、あなたの方が気をつけろよ?
あなた

はーい…!!

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