翌朝、いつものように涼介が起こしにきてくれた。
なんだか、今日はいつも以上に目眩が酷くて目も開けられないでいた。
そう言って、手を握って頭や背中を撫でてくれた。
30分くらいしてやっと目を開けられた。
目を開けたのはいいけど、体は起こせないでいた。
目を瞑ってる間にゆっくり起こしてくれて、いつもなら大丈夫なのに今日はありえないほど苦しくて過呼吸になりだした。
初めてのことでパニックで怖くてどうしたらいいのかわかんなくて涙が止まらなくて……力も入らない中とにかく必死に涼介につかまってた。
いつもと違う感覚に焦って、涼介が何か言ってるのはわかるけど何を言ってるのかは分からなかった。
涼介side
いつもなら過呼吸になっても声掛けたら反応してくれるのに、反応なくてただただしんどそうで聞こえてないみたい。
このまま声掛け続けてもダメだと思って香琳を抱きしめて深呼吸した。伝わるかな?って思って。
しばらくすると伝わったみたいで頑張って真似して深呼吸しようとしてくれた。
数分して、やっと落ち着いてきて過呼吸がおさまった。
今日は、いつもと違っておかしいからみんなに報告しようと思ったんだけど、返事してくれたのはいいけどさっき相当な体力を使ったのかぐったりしてて1人で座るのも出来てない。
1人にすると何が起きそうでまだ涙が止まってない香琳を車椅子に乗せてリビングへ。
雄也が香琳の涙を拭ってくれてるけど全然止まらない。
伊野ちゃんが香琳に絡んでる間にみんなに香琳の状態を伝えて、その間に裕翔が香琳をソファーへ。
裕翔が戻ってきたから、香琳は圭人に任せてその他で会議。
結論、今日は様子見とこってなったんだけど、その間に香琳が泣き止んでた。
あんなに泣いてたのに
なんとかご飯を食べさせて、いつも以上に気にかけながら1日終わった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。