第6話

アホ
190
2018/01/07 02:01
朝、おでこの上に何が貼ってあった。

付箋?

剥がしてみると、そこには大きな文字で“アホ”と書いてあった。

書いた主はすぐ分かった。
太陽
太陽
おっそ。
今日学校だってこと忘れてね?
Azumi*
Azumi*
太陽。
私のおでこに何か貼った覚えある?
太陽
太陽
全く。
Azumi*
Azumi*
どう見ても太陽の字だから。
太陽
太陽
アホじゃん。
Azumi*
Azumi*
…昨日はありがと。
太陽
太陽
いいからさ、さっさと電車乗るぞ。
Azumi*
Azumi*
え、えっ!ちょっと!?
太陽は私の手をつかみ力強く引っ張って走り出した。

なんとか電車には乗れたものの、呼吸が不安定だ。
Azumi*
Azumi*
ハァハァ…
太陽
太陽
体力ねぇな。
Azumi*
Azumi*
そりゃあ太陽は運動部だから走ってるでしょうけど!
私は文化部よ!?
太陽
太陽
体育で走ってんだろ
Azumi*
Azumi*
そ、それは別でしょ。
太陽は落ち込んだ顔をみせた。
太陽
太陽
ごめん。
俺のせいで…
Azumi*
Azumi*
…?なんの話?
太陽
太陽
俺が小さい頃に母さんが病気で倒れたって星見ながら言ったろ。
Azumi*
Azumi*
うん?
太陽
太陽
あの言葉が亜澄の負担になってると思って…
星の話はしないようにしてたんだ。
Azumi*
Azumi*
ん?
Azumi*
Azumi*
そうだったの!?
太陽
太陽
うん。
Azumi*
Azumi*
私、てっきり
お母さんのことを思い出すと辛くなるから
星の話をしなかったんだと思ってた…
太陽
太陽
え??そんなこと言ってねーし。
Azumi*
Azumi*
え!?

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