プリ小説

第4話

もう1度
私は、部屋で1人蹲っていた。
涙も枯れ、声も音にならず、抜け殻のようになっていた。
大切な人、最愛の人をなくしたのだ。
私の不注意で。私を庇って。

「と……や……」

何故、冬弥が死んだのか。
何故、私が生きているのか。
何故、冬弥は死ななければならなかったのか。
何故、何故、何故。

「冬弥に会いたい……」

もう1度、もう1度だけ、冬弥に会いたい。
お願い、神様、もしいるなら、何を失ってもいい。私の大切なもの、何を失ってもいい。
だからーー。

「冬弥を返して……。」

願い事は、願うものだ。
絶対に叶わない願いなど無いんだとこの時思った。
突然部屋が、光に包まれた。
眩しくて目を瞑る。
目を開けると、外は暗かったはずが、明るく、朝になっている。
どういうことなのだろうか。
時計を見ると、朝の7:00。
携帯を見ても、朝の7:00。
携帯の日付は、冬弥が死んだ、今日だ。
つまり、今は今日の朝。

「朝……って事は、冬弥が死んだのは夢ってこと?」

そんなわけない。あんなリアルな夢、ありえない。
てことは、これが夢?
頭の中はパニックだ。
固まっていると、部屋に母が入ってきた。

「晴ちゃん、もう、冬弥君待ってる時間じゃないの?」

「え?冬弥は…死んだんじゃないの?」

「何を言ってるの?熱があるのかしら。」

冬弥は生きてる、…って事は本当に過去。
何故、過去に戻れたのかは分からない。
でも、私が願ったのは確か。
冬弥が死なない結末にすればいいのだ。
私は、神様がくれたご褒美だと気合を入れた。
絶対に冬弥を死なせない。

「……絶対に。今度こそ。」

私のポケットの中に、まだ貰っていないはずはの飴玉が入っていたのを、この時は知らなかった。

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Hima🌼
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