第6話

仮説
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2017/12/28 05:32
私は、眠れないでいた。


あの文章は、私にしか見えない。

最初は其れが怖かったけれど、だんだんと、それが私だけの使命のような気がしてきたのだ。


思い立ったが吉日。


私はガバリとベッドから起き上がると、机へと向かった。

すっかりと汚れてしまったノートに、ペンを走らせる。



『私の名は、あなたです。

戦争が終わっていないってどういうことですか。

あなたが住んでいるのは何処ですか。

今は、何年ですか。』



仮定を、確かめたかった。

私の中で微かに音を立てていた、胸の仮説を。


心臓が、ばくばくとなっている。





明日、神社に。

ノートを、置こう。

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