第19話

《3回目》
106
2018/02/18 13:37
あれから3日後。
ヒロのお母さんは、一命はとりとめたものの、まだ意識が回復していないらしい。
私はヒロの面会に来ていた。
この間は、あの後母が来てくれて、一緒に面会時間ギリギリまでいたが、結局ヒロが起きることはなかった。
ヒロは無数のコードにつながれていて、口には酸素マスクをしていた。
あなた

ヒロ…私まだ、好きっていってないよ…

ヒロの手を握りながら、ぽろぽろと涙をこぼした。
すると…
ぴくっ
ヒロの指が一瞬だが、確かに動いた。
あなた

ヒロっ!?

ヒロはうっすらと目を開けた。
あなた

ヒロっ!!ヒロっ!!!

ヒロ
あなた…?
あなた

そうだよ!あなただよ!!

私は嬉しくて、さらに涙が出て来た。
ヒロ
あなた、なんで、泣いて、んだよ…
あなた

だって嬉しくてっ…

ヒロは苦しそうではあったが、ひとつひとつ、確かめるように話した。
ヒロ
おれ、は、なんでここ、に?
あなた

ヒロがお母さんを助けるために家に入った後、消防士さんとかが来て助け出してくれたんだよ!

ヒロ
そう、いえば、母さん、は…?
あなた

ヒロのお母さんは、無事だって!

ヒロ
よかった…
あなた

ねえ、ヒロ。

あなた

私ね、ヒロにひとつ伝えていないことがある。

ヒロ
ん、?なん、だ?
あなた

私は、ヒロのことがずっと、ずーーーーーっと前から大好きだっていうこと。

ヒロ
ははっ。そんなのとっくに、わかっ、て…
ピコンっピコンっピコンっピコンっ
突然、ヒロにつながっている、心電図のようなものから、音が鳴り始めた。
素人の私にもわかる、明らかに危険な状態を知らせるような音だった。
あなた

ヒロっ!ヒロっ!?

ヒロは、目を閉じ、苦しそうな表情だった。
ヒロ
だい、じょうぶ、だ…
それより、ナース、コールを…!
私はすぐに、隣にあったナースコールのボタンを押した。
あなた

ヒロっ!しっかりして!
ヒロ!ヒロっ!!!

程なくして、お医者さんと、看護師さんが駆けつけて来た。
医師
ちょっとどいてくださいね!!
そう言われて、私は病室の入り口のところまで下がった。
ヒロの体には、次々と見たこともない機械が取り付けられていく。
あなた

(ヒロっ!お願い、助かって…!)

そう願うしかなかった。
しかし…
医師
残念ですが、成瀬ヒロさんは、お亡くなりになりました。
あなた

え…?

私は、お医者さんの言った言葉の意味がわからなかった。
あなた

もう、一度、言ってください…

医師
残念ですが、成瀬さんはお亡くなりに…
あなた

わかりました…
手を尽くしてくださり、ありがとうございました。

そう言うと、お医者さんと看護師さんは静かに病室を出ていった。
だんだんと、状況に頭が追いついて来た。
あなた

そっか、ヒロ、しんじゃったんだ…

ヒロのもとに駆け寄る。
死んだなんて、信じられないほど、まだヒロはあたたかかった。
あなた

うわぁぁぁぁぁん。。。
わぁぁぁぁぁ。。。
なんで!なんでよ!死なないっていったのに!未来を、変えるって…

私はその場で泣き崩れた。






































































作者
こんにちは!作者です。
今回は、悲しい終わりで終わってしまいましたが、まだ続きますよ!
いつも読んでくださっている皆さん!本当にありがとうございます!
感謝の気持ちでいっぱいです😭
これからも、拙い文章ではありますが、読んでいただけると嬉しいです!

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