第22話

終わり、そして始まり。
82
2018/02/18 13:39
私が生死の境をさまよい、戻って来てから6年が経った。
当時17歳だった私は、もう23歳。
私は、あの事故の後遺症で、走るのが難しくなってしまった。
あなた

ねえ、ヒロ。いつになったら生まれ変わって来てくれるの…?

たまにそんなことを空に向かって言ったりする。
時計を確認。時刻は午後の2時。
あなた

(やばい!2時半からりかと約束してたんだ!)

私は走り出そうとする。
ズシャァッ
だが、脚がうまく動かず、転んでしまった。
あなた

痛ったぁ…

盛大に転び、あまりの痛さにうずくまった。
よく見ると、膝が擦りむけている。
少年
大丈夫?お姉さん。
はい、絆創膏!
小さな男の子に声をかけられ、私は顔を上げる。
あなた

え…?

その男の子の顔が、ヒロにとても似ていた。
あなた

ヒロっ…?

思わず声に出してしまった。
少年
え、お姉さんなんで僕の名前知ってるの?
あなた

ごめんね。お姉さんの好きな人に似てたから、つい…

あなた

でも、ヒロ君って言うの?

少年
そうだよ!僕は宮野ヒロ!
お姉さんの好きな人もヒロっていうの?
あなた

そうなの。もう、遠くに行っちゃったんだけどね…

つい、小さな子に話してしまった。
少年
そっか。なんだかお姉さん悲しそう。
心配させてしまったようだ。
あなた

ううん!大丈夫!

少年
あ!僕いいこと思いついた!
あなた

なあに?

少年
僕がお姉さんの好きな人になるの!
あなた

ふふふっ。じゃあこれからはそうしよっか!

小さい子に励まされてしまったが、なんだか明るい気持ちになった。
少年
あ、そうだ!
お姉さんのお名前は?
あなた

私はね、高瀬あなたっていうの。

少年
あなたって呼んでもいい?
あなた

ふふっ。
うん。いいよ。

少年の母
ヒロー!
お家に帰るよー!
あなた

ほら、ヒロ君、お母さんが呼んでるよ!

少年
うん!
じゃあまた会えるといいね!
あなた

そうだね。
じゃあ、またね!ヒロ君!

少年
うん!
ヒロ君は、お母さんのところに向かって走り出した。
すると、突然何かを思い出したかのようにこっちを振りむいた。
少年
じゃあね!あなた!
あなた

えっ…

振り向いた時の姿がヒロにそっくりだった。
なんとなく、ヒロ君にはまた会える気がした…