わたしはいつになったら、泣き止めるのだろう。
前に進めるのだろうー
「あんた彼氏くらいつくりなさいよ…。」
とため息をつく母親。
仕方ない仕方ないよ。だってわたし、たぶんこの先もずっと旬が好きだ。
部屋に入っては泣くという生活はいつまで続くの?もう苦しい…。
アルバムを見終えて本棚にしまおうとした時、昔骨董屋で買った時計に目がいった。
そう呟くが何も起こらない。
私は微笑んだつもりだったが涙がまた溢れてきた。
そしてその涙が時計に零れ落ちた瞬間…
時計からまぶしい光が解き放たれた。
光が消えてわたしは目を開けた。
するとありえない光景がわたしの眼にうつりこんだ。
わたしの勉強机には大学受験のための参考書が積み重ねられてあった。
それだけじゃない。模様替えして、新しくしたはずのカーテンがもとに戻っている。
手に持っている時計を見て、気づいた。
わたしは…5年前にタイムスリップしたのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。