第12話

想い
50
2018/01/09 13:05
次に目を開けた時は元の世界に戻っていた。


ーと最初は思っていたけど、何かが違う。
…違う。この写真…わたしと百花がうつってたはずなのに…。
机の上にある写真に写っていたのは、仲良く手を繋いでいるわたしと旬だった。
どうして…
やっと戻ってきたかよ。
後ろで高校の頃より遥かに背が高い旬がいた。
え!?
どうしているの!
実はな、お前がタイムスリップしたことを告白された後に百花から聞いたんだ。それでー…
ーお前がタイムスリップした後…
百花
雅は本気であんたのこと好きだったんだね。
俺は幼なじみとしか…
百花
本当?本当にそれだけしか思っていないの?
え…
百花
雅はこの先他の男のものになるんだよ?あんた、我慢できる?雅の結婚式で笑顔でいられる?
百花
寂しいって…思うんじゃないかな。それが恋愛感情じゃないにしろ。
雅が他の男のものになる?俺と雅は昔から一緒にいたんだ。そんなの許せないー
…って自分の気持ちに気づいたんだ。っていうより…俺は幼なじみという関係を崩したくなくて自分の気持ちに蓋をしてたんだ。
旬…
それで俺は告白された次の日お前に告白して恋人同士になったんだ。
俺もお前が好きなんだよ、一番大切な人だよ。
涙が溢れた。驚きや嬉しさが隠しきれない。
旬…うれし…
そこまで言った時、ある1つのことに気づいた。

タイムスリップ前…旬といた彼女はどうしたのだろう。
彼女は幸せを逃してしまったのかもしれない。
でもわたし、東京にいる旬の彼女の幸せ奪ってしまった…。
ん?俺東京で仲良い女なんていねーよ。
へ?
それ俺の妹じゃないか?
旬が携帯を手にとり、1枚の写真をわたしに見せた。
それはタイムスリップ前に見た旬といた女性だった。
俺はお前と恋人になれなかったとしても、他のやつは絶対好きにならない。
わたしもだよ!
嬉しさのあまりわたしは旬に抱きついた。
うわ…ちょお前///
旬の顔は真っ赤だった。
わたし、すごく後悔してたの。気持ち伝えれなくて…だから本当に良かった…!
涙がぼろぼろと溢れた。
俺も嬉しいよ、雅。
わたしたちは幸せに包まれていた。

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