私は中学校を卒業した後は家の近くにある県立高校に入学した。
今度はマネージャーにもならず、無部になった。
今考えると、マネージャーが選手に好意を抱いてはいけないと思う。
1回そういうことをしてしまったからまたしてしまいそうで、自分にはマネージャーは向いていないと思った。
無部でも高校は案外楽しくて、中学校の頃は私のことを男好きと勘違いしていた人達とも関わることができて、その中で今では親友と言える友も出来た。
でも、魔法にかかったみたいに大我先輩のことが忘れられなかった。
この学校にもし通っていたら...とか
死んでたらどうしよう...とか
そういうことばかりを考えてばっかりで、中学校の野球部の集合写真を見てはため息をしてしまうような日々が続いた。
梓桜は高校に入ってから出来た親友だ。中学校の頃から存在は知っていたけど、私のことを男好きと勘違いしてて、関わろうとしていなかったらしい。
私が今にも泣き出しそうな顔つきで梓桜を見ると、すぐに察しがついたらしく私の携帯を奪った
椅子から立ち上がり梓桜から携帯を奪い返すと制服のポケットに携帯を突っ込んだ
待って!!
っていう前に梓桜は教室を飛び出し、階段を上がって行った。
陸上部の彼女に私は追いつくはずもなく、私は教室で黙って梓桜の帰りを待った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。