第21話

クリスマス...の夜
343
2018/03/03 08:18
家に帰ると、ニート先輩が部屋を綺麗にして待っていた。
菅原大我
おかえりなさい。なんか、俺安定したと思わない?
優香(私)
ただいまです。えーっとまぁ安定しましたね。
いろんな意味で。
私と先輩はお互いの足元を数秒見つめた。
すると、先輩は私の顔を眺めた。
菅原大我
あ..のさ、今日の夜、どっか行かない?
せっかく1年に1回のクリスマスなんだから。
優香(私)
いいですよ!!行きましょう!!
どこ行きます?
先輩は不安そうに見つめていたが、笑顔に変わった。
どこに行くとか全く決めていなかった私たちはなんとなく街の中心部にある駅へ行った。
そこには女子が好きそうなファンシーショップやスタバ、サーティワンなど、全国チェーンの気軽に行ける店が立ち並んでいる。
もちろんクリスマスだから人で溢れかえっている。
当然、リア充もたくさんいる。
優香(私)
めっちゃ人いますね〜
みんな暇なんですね
私は呑気に周りをキョロキョロしながら歩いていた。
菅原大我
そうだなー。まぁ俺らもよっぽどな暇人なんだろうよ
そんなことを話しているうちに先輩とはぐれてしまった。

え!! ( ゚д゚)
周りを見渡しても先輩の姿はない。
マジかよ( ¯−¯ )
私は近くにあった椅子に腰掛けた。
すると私の前をひと組の男女が歩いていった。
雪が降ってきましたよ!
なんかやっと冬って感じがしますね~
本当だ!!キレイだな~
こんなにキレイに見えるんだからアンタは彼女と来るべきだったんじゃない?
いや、自分彼女いないんで!!
その男女は私の隣に座った。
その男女の話しを盗み聞きしていると、どうやら、女が私と同じ高1で男が中3で受験を控えているらしい。
アンタも来月前期選抜なのにこんなことしている暇あるの?
自分は大丈夫です...多分
勉強しろよw
男は女を一生懸命見つめながら話しているが、女はずっと雪を眺めていた。
男が可愛そうで仕方がない。
その...もし、俺が鈴花さんと同じ高校に行けたら、付き合ってもらえませんか!?
どうやら女は鈴花というらしい。
鈴香はようやく男に視線を移した。
そしてニコリと笑って、勿論と答えた。
男がガッツポーズをすると周りの人々は拍手を男に送った。
私もなんとなくふたりを見て拍手を送った。
そして鈴香と呼ばれる女は私の顔をじっくりと見つめた。

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