頭が痛い。
昨日ベッドに行ってから......
思い出してしまった。
鮮明に、はっきりと。
どうテオくんと会えばいいのか...
...いや、自信を持って何も無かったかのように
しよう。
オレは部屋を出て、リビングに行った。
すると、テオくんはスマホをいじっていた。
テオくんはスマホを見ながら応えた。
いつもより対応が冷たい...
いや、気のせいか。
オレも腹は減っていなかったが、
食欲は湧いてこなかった。
これからどうするか...
取り敢えず気まずい空気を直すために
動画でも撮ろう。
やはりいつもより冷たい...
オレはスマホを手に取り、募集をした。
そして電源を切りカメラを取りセットした。
気まずい空気だけど視聴者様の為に
テンション上げてかないと!
いつもと同じテンション。
さっきのテオくんとは全然違う。
やはり昨日の事を気にしてるのだろうか...
―――撮影を終え、またさっきの空気。
オレは部屋に入り、声を収録した。
...いつもより元気は無いがしょうがない。
―――寂しい。
何故かその感情が込み上げてくる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。